烏龍茶と深夜と悲しみと

今、何時?
リビングに響く小さく弱々しい自分の声。
響いた声はまるで自分の声じゃないみたいに頼りない。
私は何故ここにいるんだろう。
布団の中で眠っていたはずなのに。
おまけにチクタクと動く時計を見ると、時は深夜の2時8分。
草木も眠る丑三つ時―という時間だ。
しかし眠気というのは少しも感じられなくて。
むしろおきていたいという気持ちが強く感じられる。
だけど頭はぼおっとしていて、熱を出しているみたいだ。
当然おでこを触っても、熱くはないんだけど。
暑くも無い。
寒くも無い。
熱も無い。
眠くない。
何も悪い事は無い状況。
しかしリビングに流れる沈黙が私を孤独だと嘲笑うようで、
あまり居心地はよくなかった。


「いやだ・・・いやだ・・・っ」


必死に何かを探す。探せば何か、何か。
暑くないのに息切れをする。
ひとりぼっち。
お前はひとり。
リビングの家具たちが私にそう言っているようで恐ろしい。
冷蔵庫を必死に開けた。喉が渇いて汗が噴出す。


冷蔵庫のドアが静かに開(ひら)く。2リットルの烏龍茶が2本。
まだ未開封のお茶だった。
噴出す汗。
結局何もせず、私は冷蔵庫のドアを閉めた。










という夢を見たことがある